世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


ベンリアック 12年 シェリーウッド  12年  46.0%

  • 蒸溜所名: ベンリアック蒸溜所
  • 地域: スペイサイド
  • ブランド: ブラウン・フォーマン
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:168号

ロブ・アランソンSCORE7.7

香り
最初は控えめな香り。ちょっとライビーナ(カシス味の清涼飲料水)、カシス、黒糖のような印象。焼いたオレンジのスライスとハニーコム。焼いたアップルチーズケーキ。
イチジク煮やシェリー漬けのアイスフィンガーなどの風味によって、甘味が手懐けられている。やがてオークとバニラのスパイスが突き抜けてくる。その後から乾燥アンズと焼いたオートミールの風味。
フィニッシュ
スパイス香が増してきて、ふんだんな砂糖漬けのショウガを感じさせる。ブラックベリージャムの甘い余韻が心地よく持続する。
コメント
そこはかとなく若さを感じさせるウイスキーだが、深みのあるリッチなオークとシェリーの風味も溶け合っている。シェリーモンスターというよりは、シェリー風味のぬいぐるみといった趣き。

ベッキー・パスキンSCORE9.1

香り
香りは控えめ。砂糖漬けのカシューナッツを思わせるナッツ香が中心。軽やかなバニラスポンジケーキのほか、ほんのかすかに乾燥アンズ、モモの皮、サルタナなどのフルーツ香もある。
予想を覆すほどにジューシーな味わい。モモ、アンズ、プラムなど生の核果の味が弾け、レモンの刺激やバニラフレーバーの粉砂糖、マンダリンオレンジの房などのフルーツ風味がある。だがオークのスパイスがあるので、ねっとりとした印象はない。この風味がいつまでも続いていく。
フィニッシュ
スパイス香は後味でもまだ続く。はっきりと意識できるほどドライな余韻になっている。
コメント
本当にフレッシュで生き生きとした味わいが楽しめる。口に含んだら、飲み込んでしまうのが惜しいほど。

ベンリアック 12年 シェリーウッド  12年  46.0%

  • 蒸溜所名: ベンリアック蒸溜所
  • 地域: スペイサイド
  • ブランド: ブラウン・フォーマン
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:159号

ロブ・アランソンSCORE8.8

香り
リンゴとブラックベリーのクランブルパイに、メープルシロップと甘いパン粉を振りかけたような匂い。ふんだんなキャラメル、黒糖、オックスフォード社のマーマレードも感じる。極めて穏やかなスモーク香が潜んでいる。
いちじくの葉のリキュールのような味がして、やがてすべてが心地よいジャム風味に移行する。ブラックベリー、ラズベリー、ルバーブの砂糖煮など、かすかに酸味の刺激がある甘味。スパイス風味がゆっくりと立ち上がり、香水のような香りとシナモンやバニラポッドなどの旺盛な風味を感じさせる。依然として、かすかなスモークの刺激もそこにある。
フィニッシュ
スパイスをいちばん感じさせるのはフィニッシュだ。シナモンと粉末ショウガの後味が残る。
コメント
素晴らしい出来映えのウイスキー。香りではとても秋めいた印象だが、スパイスの立ち上がりは特筆に値する。

リンジー・グレイSCORE8.7

香り
糖蜜味のトフィー、艶出し剤で拭いたマホガニー材、漬物のイチゴなどを思わせるリッチな香り。砂糖煮したルバーブ、キャラメル状に溶かしたバナナ、レモンシャーベットなどの匂い。
ルバーブの砂糖煮、ホットシナモンカスタード、チェリーフルーツレザーなどの風味が弾ける。乾燥マンゴー、ココナッツフレーク、樹脂などの風味が後に続いて、ダブルクリームの風味でフィニッシュする。
フィニッシュ
皮革のような舌触りと、砂糖煮した酸っぱい果実のクリーミーな感触が舌の上で霧散する。
コメント
紙袋いっぱいに詰め込んだキャンディーのような趣き。ルバーブ、カスタード、フライング・ソーサー(英国の菓子)、リコリス。